早めに夕食を済ませぐっすり眠った翌日の朝「あぁ、何だか調子がいいな」「身体が軽いな」と感じたことはありませんか?実はそれ、立派なプチファスティングダイエットをしているのです。
世は今やファスティングダイエットブームです。ここまで人を惹きつける秘密は一体何でしょうか?どんな効果があるのか、正しいやり方や注意点などを詳しく紹介します。
ファスティングダイエットとは
ファスティングとは、簡単にいうと「断食」のことです。ファスティングダイエットとは、短期間の断食で内臓を休めて、体内環境をいったんリセットするダイエットを指します。
女優の米倉涼子さんや歌手の安室奈美恵さん、スポーツ選手ではダルビッシュ有さんなどが実践したことでもよく知られるようになりました。
断食とはいっても、素人がいきなり絶食を行うのは非常に危険なので、ファスティング中もヨーグルトやドリンクなどの簡単な食事を摂取するのが一般的です。
今回は、主流である酵素ドリンクを活用したファスティングダイエットを取り上げて紹介したいと思います。
ファスティングダイエットが支持される理由
ファスティングダイエットの1番の効果は、痩せやすくなるということです。
人間の身体の中には、消化酵素と代謝酵素が存在します。食物を食べると、消化酵素が働いて消化を促すのですが、うっかり食べすぎたりすると消化にたくさんの酵素が使われ、代謝が不活発になってしまうのです。これが酵素の弱点。でもファスティングをしてあげると、消化に酵素を取られないため代謝がアップします。
そしてもう1つ、効率的な脂肪の燃焼が期待できるということも挙げられます。エネルギーとして使われるのはまず糖質で、糖質が枯渇した後に初めて脂肪が燃えます。ファスティングでは、最低限の糖質しか摂取しません。だから脂肪燃焼がしやすい環境を作れるのです。
ファスティングの健康メリット
「断食で治らない病気は医者も治せない」
これはドイツの格言なのですが、大げさな言葉だと思われるでしょうか?でも、次に並べるファスティングの効果を見たら、納得かもしれません。
免疫力まで向上する
ファスティングをすることによって食べ物を摂らなくなると、今まで消化吸収に使われていたエネルギーは免疫力の方にも回ります。つまり代謝がアップしてダイエットしやすくなるだけでなく、病気に対する抵抗力もついてくるのです。
身体の中の毒素が排出される
人の身体に中には、口から摂取した添加物や農薬、重金属など有害なものも存在しています。これが多いと体調不良の原因となります。
ファスティングをすると内臓が休まるのでデトックス効果が高まり、有害物質を身体の外へ追い出してくれます。美肌効果も期待できるかもしれません。
宿便が出る
宿便とは、腸や胆のうが毒素を回収した残骸です。コールタールのような見た目をしています。これが出ると善玉菌が増えて腸がきれいになった証拠です。
精神的にもよい影響がある
腸は第2の脳といわれ、人を幸せにする「セロトニン」というホルモンの8割を分泌しています。腸が元気になると、セロトニンが出て精神的にも安定するのです。
また、脂肪が燃焼される時に出る「ケトン体」は集中力を上げると同時にα波を出して心をリラックスさせてくれます。
肝機能の向上
肝臓は、飲みすぎ、食べすぎの影響をもろに受ける臓器です。余分な中性脂肪やブドウ糖や脂肪酸は肝臓に蓄積されてしまいます。
ファスティングをすると肝機能が向上するので、ファスティングを治療に積極的に取り入れているクリニックまで存在します。
その他にも、生活習慣病の予防や、味覚が研ぎすまされる結果食生活がよくなるなど、たくさんのメリットが挙げられます。
ファスティングの正しいやり方
ダイエットや健康効果も期待できるファスティングダイエット。しかし、やり方を間違えると身体に大きな負担がかかります。
安心して正しいファスティングダイエットをしたい方に向けて「ファスティングマイスター」という資格があることをお伝えしておきます。
一般社団法人の分子整合医学美容食育協会が認定している資格で、3級から1級まであります。 3級を取得すれば、自宅で行う正しいファスティングの知識を身につけることが可能です。 安心して実践したい方はぜひ問い合わせてみてください。
ファスティングを行う期間
1日〜3日、6日などがオーソドックスですが、自分の体調や都合にあわせて調整できます。
1日、3日でも効果が期待できますが、脂肪燃焼にまで到達するには3日以上かかるといわれています。
本格的なダイエットが目的な方は、3日以上続けましょう。ただし4日以上行う場合は、必ず専門家の下で行ってください。
具体的なスケジュールの例を挙げます。
ファスティング(断食)を3日行う場合は、その準備期間に同日数(この場合3日)を設けてください。 また、ファスティングをした後の復食期間にも同じ日数をかけましょう。つまり準備期間3日、ファスティング期間3日、復食期間3日とすると、3日間のファスティングダイエットにかかる総日数は最低9日となります。
準備期間に食べるべきもの
徐々に身体を少量で優しい食事に慣れさせていきましょう。ファスティングへの移行がしっかり準備できるかどうかで、ファスティング期間のストレスが違ってきます。
がっつりした揚げ物や肉類、卵、魚類は食べてはいけません。準備期間に食べたらいいといわれる食材については、「まごわやさしい」から選んでレシピを考えましょう。ヘルシーな和食がおすすめです。
ま:豆、大豆、納豆、豆富
ご:ゴマ、ナッツ、発芽させた種
わ:ワカメ、海藻
や:野菜
さ:魚
し:シイタケ、しめじなどのきのこ類
い:芋類、穀物
食べる量を減らし(腹8分目から6分目くらい)、バランスの整った食事を心がけましょう。
ファスティング中の食事
野菜ジュース、ヨーグルトなどいろいろいわれていますが、最もおすすめなのは酵素ドリンクです。 しかし、注意すべきことがあります。酵素を発酵させる時に砂糖が必要なのですが、白砂糖で発酵させたものはやめてください。
甘みも白砂糖でつけたものではなく、天然のハチミツや黒砂糖などを使った製品を選んでくださいね。
白砂糖は、精製時に化学薬品が使われています。また、ショ糖も多く含んでいます。ショ糖とは血を酸性にするもので、化学薬品ともども決して身体にいい影響をおよぼしません。準備期間や復食期間にも摂取を控えてください。
白砂糖を使っているかどうかは表示成分だけではわからないこともあるので、一度製造元へ問い合わせてみるといいですよ。
そして、添加物が多い酵素ドリンクを選ばないことも大切です。添加物は自然界にないものですから、身体に入るととても多くの酵素を消費します。これでは、本末転倒ですね。
無添加のものや濃度が濃いもの、糖分率が低いもの、白砂糖を使っていないもの、無香料のもの、これらの条件を満たした酵素ドリンクを選びましょう。
酵素ドリンクがファスティング中の飲み物として適している理由
ファスティング中に酵素ドリンクを飲むとどうなるのでしょうか?酵素を摂取できるのはもちろんですが、実はそれ以上に有用なことがあるのです。
それは、食事を摂らないことで栄養素が足りなくなった身体へ、手軽に必要な栄養素を補給できるというメリットです。
酵素ドリンクには最低限必要な糖質、たくさんの植物性乳酸菌、ビタミン類、ミネラル類などが含まれていることが多いです。
酵素ドリンクは1日2回、朝起きた時と寝る前に1杯ずつ飲みましょう。ゆっくり噛みしめて飲むのがおすすめです。
でも、酵素ドリンクは結構なお値段がしますよね。中には「できれば手が出しやすい野菜ジュースやヨーグルトで乗り切りたい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし栄養面でたくさんの野菜や果物を使っている酵素ドリンクには敵いません。
どうしても!という方は、できるだけ多くの野菜を使った無農薬、無加糖、無添加の野菜ジュースを選んでください。自分で手作りするのもいいでしょう。
水分摂取のポイント
ファスティング中は、水か白湯を1日2リットルくらいこまめに摂取してください。
先ほど、脂肪の燃焼時に作られるケトン体は心をリラックスさせると書きましたが、デメリットもあり、頭痛やめまいを引き起こすこともあります。 ケトン体を身体の外に排出するためにも水は十分な量を補給しましょう。
コーヒーや紅茶など、カフェインが入った飲み物はできれば飲まないでください。カフェインは、酵素の働きを弱くします。亜鉛やビタミンなども壊すので、避けた方がいいでしょう。
牛乳や豆乳も身体を冷やしますので、おすすめできません。
ファスティング後の復食期間に食べていいもの
ファスティング期間が終わって、「さぁ、食べるぞ~」と肉類や魚、卵などをいきなり食べると身体がびっくりして、負担がかかってしまいます。腹痛や吐き気が出てくるかもしれません。
まず、復食期間の最初には重湯や具のないお味噌汁などを食べましょう。2日目以降は、引き続き重湯や具入りのお味噌汁などを口にします。少しずつ時間をかけて通常の食事に戻していくとリバウンドもありません。
復食期間が終わって通常の食事になるといっても、せっかくファスティングダイエットをしたのですから、体重や体調は維持したいですよね。
ならば、「まごわやさしい」を思い出しながら優しい和食中心のメニューを続けましょう。
ファスティング中に起こる好転反応
ファスティングを行うと、下痢や頭痛、吐き気、吹き出物、低血糖、冷えなど不快な症状にみまわれることがあります。添加物を使用していない梅干を食べたり、ハチミツをなめたりして塩分糖分を補給すると楽になることもありますが、ひどい時はファスティングを直ちに中断し病院へ行ってください。重大な疾患が隠れている場合があるからです。
しかしほとんどは、好転反応の場合が多いです。好転反応とは、有害物質や毒素が体外に排出される過程で起こるものです。辛いですが、ファスティングがうまくいっている証拠です。
今までの生活が乱れていればいるほど、白砂糖や添加物など身体によくないものを摂っていればいるほど、毒素などは蓄積されています。ファスティングをすると、毒素は体外へ流れ出ようと身体中をめぐります。それで好転反応が出てしまうのです。
準備期間に徐々に身体を慣れさせて、しっかりファスティングへ移行する準備ができていれば、好転反応は軽く済むといわれています。
ファスティングダイエットの禁止事項
喫煙、飲酒、これらがNGなのはいわずもがな、ですね。うっかりやってしまいそうなのが、ガムやキャンディを食べてしまうことです。
カロリーが少ないからと口にしてしまいがちですが、人工甘味料が入っているので禁止です。人工甘味料は添加物の一種ですので、ファスティングの大敵です。せっかくの努力が水の泡になりますよ。
激しい運動は絶対にしてはいけません。けれどヨガや20分程度のウォーキングなどの軽い有酸素運動は、ダイエットによい影響をおよぼします。気分転換にもなりますし、無理がない程度に取り入れるといいでしょう。
ちなみに、以下に該当する方はファスティングの実践を避けましょう。
- 中断してはいけない薬を飲んでいる人(重い高血圧や糖尿病、うつ病の方など)
- 体調が悪い人
- 妊娠中の人
- 生理中の女性(食欲を抑えにくい生理前も避けた方が良い)
- 痩せている人(BMI値18.5以下)
- 高齢者
- 子供(小学生以下の方)
ファスティングダイエットの効果を出すために知っておいてほしいこと
正しいファスティングダイエットをすれば、素晴らしい効果があるのですね。でも、忘れてはいけないのは個人差があるということです。
たとえば、ファスティングダイエットの効果の1つに宿便が出ることを挙げましたが、便秘に苦しんでいる人より便秘でない人の方が出てくるものは少ないです。どうぞご自分の体調や生活習慣に合わせて挑戦してみてくださいね。
最初は、週末を利用したプチファスティングから始めるといいですよ。近年、ホテルなどが週末を利用したファスティングプランを提供しています。 食事も運動も管理されていますし、空腹によるイライラも紛らわせやすくなるので、こういったものを利用するのもいい方法だと思います。