緑黄色野菜のなかでもトップクラスに「ベータカロテン」が豊富な人参。

栄養価が高く美容にも効果的、さらに低カロリーな野菜としても知られ、どんな料理にも合う万能食材です。

一見、低カロリーで様々な栄養素を含むことから、ダイエット向きな食材のように感じますが、実は人参はダイエットに不向きな食材であると言われていることを知っていますか?

今回は、人参のカロリー・糖質量、低カロリーな人参に隠された太る理由、太りづらくヘルシーに食べる方法などを紹介します。

人参(にんじん)のカロリーは?

人参のカロリーは、100gあたり「44kcal」と、それほど高いカロリーではありません。

人参以外の野菜のカロリー(100gあたり)

  • ブロッコリー:33kcal
  • レンコン:66kcal
  • なす:22kcal
  • キャベツ:23kcal

他の野菜と比較してみても、人参のカロリーは平均的なものであり、野菜自体が低カロリーな部類に入るので、肉類と比べても人参のカロリーは低いと言えます。

人参は1本あたりが140g程度なので、1本まるまる食べても「60kcal」前後です。

人参(にんじん)の糖質は?

人参の糖質は、100gあたり「6.5g」です。

人参以外の野菜の糖質(100gあたり)

  • ブロッコリー:0.8g
  • なす:2.9g
  • キャベツ:3.4g

他の野菜と比較してみると、人参の糖質は高めになっていることが分かります。

人参が野菜の中で高糖質に分類される理由は、人参が根菜類ということにあります。

根菜類は、全般的に糖質が高く、かぼちゃで17.1g、レンコンで13.5gほどです。

RIZAP(ライザップ)が推奨するダイエット中の食事メニューでも根菜類はNGになっており、糖質制限ダイエット中の方は特に気をつけたい食材と言えます。

人参は野菜とはいえ、糖質が高いので、糖質制限ダイエット中に人参を食べるという場合は、糖質カットサプリなどの血糖値の上昇を抑えるサプリを使用して、太りづらくするといった対策をおすすめします。

人参には美容・健康効果はあるが、ダイエットには不向き?

人参は、野菜の中で特に栄養価が豊富な食材として知られ、「ベータカロテン」を非常に多く含んでいます。

これは緑黄色野菜の中でもトップクラスの含有量です。

このベータカロテンが体内に入ることで、「ビタミンA」へと変わり肌荒れや髪の乾燥を防ぐなど美容に効果を発揮します。

さらにビタミンAは、呼吸器系の粘膜を丈夫にするなどの働きもあり、人参は健康にもとても良い食材です。

さらに、人参に含まれる水溶性食物繊維の1つ「ペクチン」は整腸作用も持ち合わせています。

健康や美容に働きかけ、オールマイティに思われる人参ではありますが、どうしてダイエット中にNGと言われるのでしょうか?

人参が低カロリーなのに太る理由

人参は糖質が突出して高い

人参は根菜類であるため、芋類に続いて「糖質」の高い野菜であることを忘れてはいけません。

よく糖質制限ダイエットをしている方でも、ダイエットに失敗してしまったという事例を聞きますが、その主な原因は知らず知らずのうちに「隠れ高糖質食材」を食べてしまっているからです。

人参を含む根菜類は、野菜とは言っても、実は高糖質に分類されるので、糖質制限ダイエット中の方は、特に注意したいところです。

人参、かぼちゃ、レンコンは、ダイエット中は控えるようにしましょう。

人参はGI値も高い

ダイエットではカロリーや糖質に気をつけるだけでは痩せることができません。

ダイエットでは、急激に血糖値を上昇させないようにコントロールすることが非常に重要です。

しかし、にんじんは血糖値の上昇する値を示すGI値が高く、タマネギ、トマト、キャベツ、キュウリなどの「低GI食品」、カボチャ、トウモロコシ、サトイモ、サツマイモなどの「中GI食品」に対し、ジャガイモ、ニンジンなどは「高GI食品」と分類されています。

血糖値が上昇すると、脂肪が蓄積されやすくなってしまい、非常に太りやすくなるので、注意が必要です。

濃いめの味付けが多い

人参は、高糖質・高GI値の食材ではありますが、低カロリーな食材でもあります。

低カロリーなので、食べ方次第ではダイエット中も問題はないのですが、人参は多くの場合、濃い目の味付けが好まれます。

この濃いめの味付けで食べることが問題で、その分高カロリーになることは当然ですが、食欲を増進してしまうので、食べ過ぎてしまう可能性が高くなります。

きんぴらなどの甘辛い味付けは、特に注意が必要です。

ダイエット中の人参の食べ方・太りづらくする工夫

栄養価が高い食材でありながら太りやすい食材でもある人参ですが、低カロリーという側面もあるので、その食べ方を気をつけるだけで、太りづらくすることが出来ます。

ここではその太りづらくする方法・食べ方を紹介します。

人参は生で食べる

ダイエット中は、できる限り、人参を生で食べることをおすすめします。

人参は、調理や野菜ジュースにする過程で加熱してしまうと、その熱によって、大事な栄養成分が破壊さてしまい、思うように体が栄養を吸収できなくなってしまいます。

そこで、ダイエット中には野菜スティックなどの形で、なるべく生で食べるようにしましょう。

生で食べることによって、栄養も最大限に吸収できるようになり、また、濃い目の味付けによる余分なカロリーの摂取も防ぐことができるようになります。

空腹時に人参を食べないようにする

ダイエット中はカロリーに気をつけるだけでなく、血糖値の上昇も抑えなければいけません。

血糖値の上昇を抑えるためには、なるべく空腹時ににんじんを食べないようにすることが効果的です。

空腹時というのは血糖値が一気に上昇しやすくなるため、まず食物繊維の豊富なGI値の低いキュウリやトマトなどのサラダ類や豆類で落ち着かせましょう。

その後にんじんを食べることで、血糖値の上昇が緩やかなものになり、太りづらくなります。

人参の皮の栄養を最大限に活かす

人参の皮にはベータカロテンや食物繊維が豊富に含まれているので、皮はなるべく剥かずに食べましょう。

どうしても剥きたいという場合には、出来るだけ薄くむくようにしてください。

食物繊維は便秘の解消に効果的で、体の中から老廃物を出すことで、太りにくくなると言われています。

ダイエット中の人参は、食べ方・工夫が大事!

人参のカロリー・糖質量、人参が意外にも太りやすい理由、その対策法などを紹介しました。

人参は、栄養価も高く、カロリーも「44kcal(100gあたり)」と低く、ダイエット向きと思われがちですが、実は高糖質・高GI値な野菜ということを忘れてはいけません。

高糖質・高GI値で太りやすいことに加えて、人参は濃い目の味付けが好まれるため、調味料などの余分なカロリーの摂取にもつながります。

このことがにんじんはダイエットにNGだと言われる理由です。

しかし、ダイエットに不向きな人参も、空腹時に食べるのを避け、できる限り生で食べたり、皮の栄養価を積極的に摂取したりと、食べ方に工夫をすればダイエット中も太りづらくすることができます。

ダイエット中に人参を食べる際は、今回紹介した方法をぜひ実践してみてください。