あなたは今、「身体を鍛えたい」「護身術を身につけたい」「かっこよくなりたい」「強くなりたい」など、さまざまな思いから格闘技ジムに興味を持っているかもしれません。
しかし、その前に立ち止まって考えてほしいことがあります。
それは、格闘技ジムに存在する「人間関係の闇」や、「隠れた暴力性」と「自己中心的な空気」の問題です。
ネットやSNSではポジティブな面ばかりが強調されますが、実際にはかなりクセの強い人間が集まりやすい場所でもあります。あなたが平穏な環境を好む人なら、想像以上にストレスを感じるかもしれません。
今回は、格闘技歴10年以上・5つ以上のジムに通った経験を持つ筆者が、「格闘技ジムの実態」を、初心者にもわかりやすく、リアルな目線でお伝えします。
なぜ格闘技ジムには「自己中心的」「暴力的」な人が多いのか?
1. 男性ホルモンと攻撃性の関係
まず大前提として理解しておきたいのは、格闘技というジャンルそのものが「闘争本能」に訴えるスポーツであり、自然と“攻撃性”を求められる環境であるということです。
これは生物学的にも裏付けがあります。格闘技を好む人に多い「男性ホルモン(テストステロン)」の高い人は、以下のような傾向を持ちやすいと言われています。
-
攻撃性が高い
-
支配欲が強い
-
優位性を誇示したがる
-
リスクを好む
-
忍耐力が低く、他者への共感が薄い
これらの要素は、格闘技において有利に働く一方で、日常生活の人間関係では「非常に扱いづらい性格」となるリスクを孕んでいます。
つまり、「格闘技ジム=男性ホルモンが高く、自己主張の強い人たちの集団」と言っても過言ではありません。
2. 上下関係や内輪ノリの文化
多くの格闘技ジムでは、暗黙の上下関係が存在します。
-
年功序列ではなく“入会順序”が力を持つ
-
技術レベルが低い者には“上から目線”の指導
-
特定の「お気に入りメンバー」だけが優遇される
こういった閉鎖的な文化は、初心者や穏やかな性格の人にとっては息苦しいものです。
「体育会系ノリ」や「暴力でマウントを取る」空気が漂っているジムも存在し、ちょっとした発言がきっかけで、いじめや無視の対象になることもあります。
3. 無自覚なモラハラ気質
格闘技に夢中な人たちの中には、「格闘技が全て」「格闘技が正義」と思い込んでいるタイプも多く、無意識に他人を見下すような態度を取る人もいます。
-
「週3で来ないと意味ないよ?」
-
「え、試合出ないの?甘いね」
-
「続かない人って結局弱いんだよね」
これらは、格闘技ジムにありがちな“無自覚モラハラ”の一例です。
一見フレンドリーに見える会話でも、その裏には“お前も俺のようにやれ”というプレッシャーが含まれているのです。
さらに、面倒くさい人間関係になる場合も多い。
何か特別な場所というイメージを抱かれがちな格闘技ジムですが、実際はそんなことはなく様々な人がいて成り立っています。
会員、トレーナー、受付スタッフ、会長…
立場は違えど、みんな格闘技ジムを構成する一員として、各々の目的のために頑張っています。
これから格闘技ジムに通おうとしている、もしくは通うことを検討している人の中には、そんな格闘技ジムの人数関係について不安や心配を抱えている人もいるのではないでしょうか。
具体的には、以下のようなことです。
・入会したらみんなに自己紹介を兼ねた挨拶をしないとダメなの?
・先輩、後輩の関係ってあるの?
・飲み会とかの付き合いって必要なの?
・プロ、アマ選手の応援っていかないとダメ?
・食事会とかってあるの?
「せっかく自分の大切なお金を払って通うのに、会社や学校にあるような面倒くさい人間関係に振り回されたくない!」という想いは誰だって少なからずあります。
入会したらみんなに自己紹介を兼ねた挨拶をしないとダメなの?
結論から言うと、格闘技ジムに入会してもみんなの前で自己紹介することはありません。
少なくとも、僕がこれまでに通ったジムの中で、そういったことをしたことは1度もなかったです。
人によっては自分が来ている時間帯にいる既存の会員に名前と挨拶を軽くするという場合もありますが、強制ではないのでしなくても大丈夫ですし何も言われません。
ジム側も会員も、「何であいつ挨拶に来ねーんだよ」みたいなことは一切言わないので、やろうと思えば一人で黙々とやることだって可能です。
※トレーナーから「ミットやりましょう!」と声を掛けられることはありますが、これは向こうの仕事上必要なことで人間関係を迫っているわけではありません。
なので、わざわざ「どう自己紹介しよう…」なんて悩む必要はないのです。
飲み会とかの付き合いって必要なの?
格闘技ジムによりますが、仲良くなった会員同士で飲み会をしたり、ジムの忘年会や新年会などのイベントを催している場合はあります。
しかし、これらは一切強制ではなく、たとえ参加しなくとも白い目で見られたり苛められたりすることはありません。
現に僕はこういったイベントにほとんど参加しませんでしたが、何か嫌みを言われたりすることは皆無でした。
もちろん自分が行きたいと思うのであれば参加すればOKですが、行きたくなければ不参加でも何も問題ありません。
プロ、アマ選手の応援っていかないとダメ?
格闘技ジムにはプロ、アマの選手として試合に出ている人もいます。
そうすると、『ぜひ応援に来てください!』とジム側や選手本人が告知して、チケットを買ってほしい旨を言ってくることがあります。
しかしこれも一切強制はなく、基本的には「来れる人はトレーナーか選手本人に声掛けてください」というスタイルなので、行かなくとも問題はありません。
行った方が選手本人や同じく応援に行った人達と仲良くなることができますし、選手の試合を生で観れる魅力もありますが、そういったことを求めていない人はしなくてOKです。
食事会とかってあるの?
飲み会と被るところもありますが、いわゆる「ご飯食べに行きません?」という誘いを受けることがあるのか心配する人もいるかもしれません。
しかしこれはある程度会員同士で仲良くなったりしない限り、誘われることはまずありません。
仮に誘われても、行きたくないなら行かなくて大丈夫ですし、それが原因で気まずくなることはないです。
僕は本当に仲良くなった人と数回だけ行ったことがありますが、それ以外は全くありませんでした。
それでも格闘技をやりたい人がとるべき3つの戦略
ここまで読んで「やっぱりジムって怖い」と思った人も多いでしょう。しかし、それでも格闘技をやりたいなら、対策はあります。
以下の3つのポイントを実践すれば、「面倒くさい人間関係」とは適切な距離を保ちつつ、安全に格闘技を楽しむことができます。
戦略①:とにかく最初は“無言”でOK。挨拶以外は話す必要なし
格闘技ジムでは、「最初から馴れ馴れしくしない」「自分の領域を守る」ことが大事です。
-
無理に会話をしようとしない
-
自己紹介など求められても軽く返すだけでOK
-
コミュニケーションはトレーナーとの最低限に
「黙々とやるスタイル」でも浮くことはありません。逆に、無理して人と仲良くしようとすると、変な人間に絡まれる可能性があります。
戦略②:距離感をコントロールする技術を身につける
格闘技ジムでは、「断る力」も非常に重要です。
-
飲み会やイベントへの誘いは基本的に不参加で問題なし
-
応援や試合のチケットも「その日は都合が…」で回避可能
-
LINEグループなどに誘われた場合も静観でOK
関わりすぎない勇気と、関わりすぎたくない意思表示が、健全な距離を保つ鍵となります。
戦略③:「ジムを変える」ことをタブー視しない
どれだけ注意していても、相性の悪いジムに当たることはあります。そんな時は、「別のジムに移る」という選択肢をためらってはいけません。
-
トレーナーとウマが合わない
-
会員の雰囲気が悪い
-
暴力的な言動が多い
これらが少しでも気になるなら、それは「あなたが悪い」のではなく、単に環境が合っていないだけです。
格闘技ジムは全国に無数にあります。自分に合った場所を見つけるためには、試しては切る、という姿勢も大切です。
暴力性と無縁で、健全に格闘技を楽しむために
最後に、「どうすれば暴力的で面倒くさい人間関係から距離を置きつつ、格闘技という素晴らしい運動を楽しめるのか」というポイントをまとめます。
✅ 小規模で個別指導が多いジムを選ぼう
大手ジムよりも、小規模で少人数制のジムの方が、人間関係が薄くて自由度が高い傾向があります。見学や体験レッスンで、雰囲気を必ず確認しましょう。
✅ 体験時にチェックすべき「3つの空気」
-
トレーナーが無駄に威圧的でないか?
-
会員同士の距離感は自然か?
-
新人への接し方に「尊重」があるか?
この3点をクリアしていれば、ストレスの少ないジムに出会える可能性が高まります。
✅ 他の運動も検討してみよう
どうしても格闘技ジムの空気が合わないなら、以下のような選択肢もあります。
-
パーソナルジム(筋トレ特化)
-
ボディメイクジム(フィジークやシェイプアップ向け)
-
オンラインでのシャドーボクシングレッスン
「格闘技=ジムに通わなければならない」という固定観念を外し、自分に合ったスタイルで続けることが何より重要です。
まとめ:格闘技は楽しい。でも“人間”が問題なんです。
格闘技そのものには素晴らしい魅力があります。
しかし、それを学ぶ「場所」には、少なからず人間関係のリスクがあります。暴力的な気質や、無神経なマウント文化、無自覚なモラハラ――それらは格闘技ジムの“負の側面”です。
「心身を鍛える場所」であるはずが、「精神を削る場所」になってしまっては本末転倒。
だからこそ、格闘技ジム選びは慎重に。
自分を守る知識を持ち、冷静な距離感を保ちながら、格闘技を安全に・快適に楽しんでください。