「才能がないから格闘技なんて無理」

「体が小さいし、運動神経も悪いし」

「もう年だから今更始めても…」

もしあなたがこんな風に思っているなら、この記事を最後まで読んでください。格闘技界で10年以上過ごしてきた私が、多くの人が見落としている「本当の才能」について、あなたの常識を覆すお話をします。

実は、パワーや身体能力よりもはるかに価値のある才能が存在するのです。そして、その才能は誰にでも手に入れることができる可能性があります。

 

格闘技界で目撃した「才能の格差」の現実

私は格闘技を始めて10年以上が経ちますが、これまでに数え切れないほどの「才能ある人」を目の当たりにしてきました。

初日からパンチが重い人。まるでゴムのように体が柔らかい人。痛みに対する耐性が異常に高い人。相手の動きを読むのが天才的にうまい人。生まれ持った運動神経が抜群の人。

正直に言います。努力でどうにかなる部分もありますが、どんなに頑張っても埋められない差というものは確実に存在します。これは格闘技に限った話ではありません。スポーツの世界では、生まれ持った身体的な特徴や能力の差が、時として決定的な要因になることがあるのです。

例えば、リーチ(腕の長さ)の差。これは努力ではどうしようもありません。身長170cmの人が、身長190cmの人と同じリーチを持つことは物理的に不可能です。

パンチ力についても同様です。筋力トレーニングで向上させることはできますが、生まれ持った筋肉の質や骨格の違いによって、同じトレーニングをしても到達できる上限が異なります。

こうした現実を目の当たりにすると、「やっぱり才能がない自分には無理なのかな」と思ってしまう人が多いのも無理はありません。

 

あなたが見逃している「隠れた才能」

しかし、ここで一つ重要なことをお伝えしたいのです。

分かりやすい身体的な才能に注目が集まりがちですが、実はそれらと同じかそれ以上に重要でありながら、多くの人が見落としている才能があります。

それが「続けることができる才能」です。

「えっ、それって才能なの?」と思われるかもしれません。でも、これは紛れもない才能なのです。そして、この才能こそが格闘技において最も価値のあるものの一つだと、私は確信しています。

なぜなら、どんなに素晴らしい身体的才能を持っていても、続けることができなければ何の意味もないからです。逆に、特別な身体的才能がなくても、続けることができれば必ず成長し、素晴らしい結果を得ることができるからです。

 

フィットネスジムで見た「続ける難しさ」の現実

私がこの「続ける才能」の重要性に気づいたのは、以前フィットネスジムでインストラクターとして働いていた経験からです。

そのジムは地域でも有数の規模を誇り、最新のトレーニング機器が揃った素晴らしい施設でした。立地も良く、料金も手頃だったため、毎月たくさんの人が新規入会してきました。

新規入会者には必ずオリエンテーションを行い、マンツーマンでトレーニング方法を指導していました。皆さん、入会時は本当にやる気に満ち溢れています。

「今度こそ絶対に続けます!」 「理想の体を手に入れるまで頑張ります!」 「週3回は必ず来ます!」

こんな力強い言葉を聞かない日はありませんでした。私も「この人なら続けられそうだな」と思うことが多々ありました。

しかし、現実は厳しいものでした。

1か月後にジムで顔を見る人は半分以下。2か月後になると3分の1程度。そして3か月後には、ほとんどの人の姿を見ることがなくなっていました。

中には退会される方もいましたが、多くの人は会員のまま来なくなってしまうのです。つまり、お金を払い続けているにも関わらず、ジムに足を向けることができなくなってしまうのです。

最初のやる気はどこへ行ってしまったのでしょうか?

 

「やらなくても困らない」ことを続ける困難さ

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

それは、フィットネスや格闘技のようなものは「やらなくても直接的には生活に支障が出ない」からです。

仕事や学校と違って、行かなくても怒られません。サボっても誰からも責められません。体調が悪い日や気分が乗らない日は、簡単に休むことができます。

「今日は疲れているから明日にしよう」 「今週は忙しかったから来週から再開しよう」 「ちょっと風邪気味だから完全に治ってから行こう」

こうした理由は、一つ一つは正当なものです。しかし、一度このパターンに入ってしまうと、なかなか抜け出すことができなくなります。

1週間休むと2週間休みやすくなり、1か月休むと「今更行っても…」という気持ちになってしまいます。そして最終的には、行くこと自体が億劫になり、フェードアウトしてしまうのです。

これは意志が弱いからでも、やる気がないからでもありません。人間の心理として、とても自然な反応なのです。

だからこそ、この状況に陥らずに続けることができるというのは、本当に素晴らしい才能なのです。

 

格闘技の練習は想像以上に地味で単調

「続ける才能」の価値は、格闘技の練習内容を知ると更によく分かります。

多くの人が格闘技の練習に対して抱いているイメージと、実際の練習内容には大きなギャップがあります。

映画やテレビで見る格闘技は華やかで迫力があります。観客の声援を受けながら、劇的な技で相手を倒す場面が印象的です。しかし、実際の練習は全く違います。

例えば、ボクシングの練習を見てみましょう。

シャドーボクシング 鏡の前で一人で行う練習です。相手がいない状態で、フォームを確認しながらパンチを繰り出し続けます。1ラウンド3分間、これを何ラウンドも続けます。

ミット打ち トレーナーが持つミットに向かってパンチを打つ練習です。正確性とタイミングを養いますが、基本的には単調な動作の繰り返しです。

サンドバッグ打ち 重いサンドバッグに向かってひたすらパンチを打ち続けます。パワーとスタミナを鍛える効果的な練習ですが、やることは極めてシンプルです。

スキッピングロープ(縄跳び) リズム感と下半身の強化のための練習です。子供の頃にやった縄跳びとほぼ同じことを、大人になってもひたすら続けます。

ランニング 基礎体力作りの王道です。ただひたすら走り続けるだけです。

これらの練習内容を見てどう思いますか?華やかさはまったくありません。むしろ、想像していたよりも地味で単調だと感じる人が多いのではないでしょうか。

しかも、これは初心者だけの話ではありません。日本チャンピオンも世界チャンピオンも、基本的には同じような練習を行っています。違いがあるとすれば、その強度と精度の高さです。

世界のトップレベルで活躍する選手たちも、最初は私たちと同じような地味な練習から始めています。そして今でも、この基本的な練習を毎日毎日繰り返しているのです。

 

トップ選手たちの「継続」の軌跡

世界的に有名なボクサーやMMA選手たちの練習を見ると、その継続力の凄まじさに驚かされます。

彼らの多くは、一日も欠かすことなく練習を続けています。体調が悪い日でも、気分が乗らない日でも、軽いメニューであっても必ず体を動かします。

「今日は調子が悪いから休もう」という発想がないのです。むしろ、調子が悪い日こそ練習することで、どんな状況でも対応できる強さを身につけているのです。

これを10年、20年と続けることで、彼らは世界のトップに立っているのです。つまり、彼らの強さの源は、特別な身体能力だけではなく、「続ける才能」にもあるのです。

もちろん、彼らには優れた身体的才能もあります。しかし、その才能を活かすことができたのは、継続する力があったからです。どんなに素晴らしい才能を持っていても、途中で辞めてしまっては意味がありません。

 

あなたの中に眠る「継続の才能」を発見する方法

ここまで読んで、「でも自分には継続する才能なんてない」と思う人もいるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。

あなたは本当に継続する才能がないのでしょうか?

よく考えてみてください。あなたがこれまでの人生で続けてきたものはありませんか?

仕事を続けていることも継続です。毎日の歯磨きを続けていることも継続です。友人関係を維持していることも継続です。趣味を長く楽しんでいることも継続です。

私たちは普段意識しませんが、実は多くのことを継続しています。つまり、継続する才能はすでにあなたの中に存在しているのです。

問題は、その才能を格闘技に向けることができるかどうかです。

「続ける才能」を格闘技で発揮するための秘訣

では、どうすれば格闘技を継続することができるのでしょうか?

1. 完璧を求めない 「毎日絶対に練習する」と決めてしまうと、一日でも休んだ時に挫折感を味わってしまいます。「週に2回は行く」「月に8回は行く」など、現実的な目標設定をしましょう。

2. 小さな変化に注目する 劇的な変化を期待せず、小さな改善や成長に目を向けましょう。「今日はパンチのフォームが少し良くなった」「先週より長い時間練習できた」など、小さな進歩を積み重ねることが大切です。

3. 楽しみを見つける 辛いことばかりに注目するのではなく、格闘技の楽しい面を見つけましょう。新しい技を覚える楽しさ、汗をかく爽快感、仲間との交流など、続けたくなる理由を作りましょう。

4. 仲間を作る 一人で続けるのは困難ですが、一緒に頑張る仲間がいると続けやすくなります。お互いに励まし合い、支え合える関係を築きましょう。

5. 長期的な視点を持つ すぐに結果を求めるのではなく、長期的な視点で取り組みましょう。格闘技の真の価値は、続けることで得られる精神的な成長や人生観の変化にもあります。

継続がもたらす予想以上の効果

格闘技を続けることで得られるものは、技術の向上だけではありません。

自信の向上 続けることで確実に技術が向上し、それが自信につながります。格闘技で培った自信は、日常生活の様々な場面で活かされます。

ストレス解消 仕事や人間関係のストレスを、健全な方法で発散することができます。パンチやキックを繰り出すことで、心の中のモヤモヤを解消できます。

体力・健康の改善 継続的な運動により、体力が向上し、健康状態が改善されます。疲れにくくなり、日常生活が楽になります。

精神力の強化 厳しい練習を乗り越えることで、精神的な強さが身につきます。困難な状況に直面した時の対処能力が向上します。

人間関係の拡大 道場やジムでの出会いを通じて、新しい人間関係を築くことができます。年齢や職業を超えた友情が生まれることもあります。

規則正しい生活習慣 練習のスケジュールに合わせることで、自然と規則正しい生活リズムが身につきます。

これらの効果は、一朝一夕で得られるものではありません。継続することではじめて実感できるものです。

 

「才能がない」という思い込みを捨てる勇気

多くの人が「自分には才能がない」と思い込んでいますが、本当にそうでしょうか?

私がジムで出会った多くの人たちを見てきて分かったことは、「才能がない」と自分で決めつけている人ほど、実は大きな可能性を秘めているということです。

なぜなら、そういう人たちは謙虚で努力を惜しまない傾向があるからです。派手な技を求めるのではなく、基本をしっかりと身につけようとします。他人と比較して落ち込むのではなく、昨日の自分と比較して成長を実感しようとします。

こうした姿勢こそが、格闘技において最も重要なものなのです。

確かに、生まれ持った身体的な才能には差があります。しかし、格闘技の価値はそれだけではありません。継続することで得られる精神的な成長、人間としての成熟、そして何より「やり遂げる力」こそが、格闘技の真の価値なのです。

あなたの「続ける才能」を今すぐ活かそう

もしあなたが格闘技に興味を持っているなら、「自分には才能がない」という理由で諦める必要はありません。

むしろ、こう考えてください。

「毎回ジムに通って真面目に練習する」 「基本技術を地道に反復練習する」 「辛い時でも諦めずに続ける」

これができているだけで、あなたは十分に才能があるのです。

そして、この「続ける才能」は、身体的な才能と違って、努力と意識次第で誰でも伸ばすことができます。最初は続けるのが大変でも、習慣になれば自然に続けられるようになります。

多くの人が数か月で辞めていく中で、1年、2年と続けることができれば、それだけで十分に誇らしいことです。周りの人たちから見れば、あなたは「格闘技を続けている立派な人」なのです。

今日から始める「継続への第一歩」

この記事を読んで、少しでも格闘技への興味が高まったなら、ぜひ行動に移してください。

「でも、どこから始めたらいいか分からない」という人もいるでしょう。大丈夫です。最初の一歩は簡単です。

1. 近所のジムや道場を調べてみる インターネットで「格闘技 ジム 〇〇市」などと検索してみましょう。意外と身近なところにジムがあることが分かります。

2. 見学や体験に申し込む 多くのジムでは見学や体験を受け付けています。まずは雰囲気を知ることから始めましょう。

3. 動きやすい服装と水分補給の準備 特別な道具は必要ありません。動きやすい服装と飲み物があれば十分です。

4. 「とりあえず1か月続けてみる」という軽い気持ちで始める 最初から長期間のコミットメントを考える必要はありません。まずは1か月続けることを目標にしましょう。

5. 小さな変化や成長を記録する 日記やスマホのメモ機能を使って、練習内容や感じたことを記録しましょう。後で振り返ったときに、自分の成長を実感できます。

あなたの人生を変える「継続の力」

格闘技を続けることで得られるものは、強さや技術だけではありません。

「続ける力」は、人生のあらゆる場面で役立ちます。仕事での粘り強さ、困難な状況での諦めない心、目標に向かって努力し続ける姿勢。これらはすべて、格闘技を継続することで身につく力です。

多くの人が途中で諦めていく中で、あなたが続けることができれば、それは間違いなく才能です。そして、その才能は他の分野でも必ず活かされるでしょう。

10年後、20年後のあなたは、今日から格闘技を始めて続けてきた自分を誇らしく思うはずです。逆に、今日始めなかった場合、将来「あの時始めていれば…」と後悔することになるかもしれません。

まとめ:あなたの中にある「真の才能」を信じて

格闘技において最も重要な才能は、派手な身体能力ではなく「続けることができる力」です。

多くの人が数か月で辞めていく中で、地道に練習を続けることができるなら、それは十分に胸を張れる才能です。

その才能は、努力と意識次第で誰でも身につけることができます。そして一度身につけば、格闘技だけでなく人生のあらゆる場面で大きな力となります。

「自分には才能がない」と思っているあなた。その謙虚さと向上心こそが、最高の才能なのです。

今日からでも遅くありません。あなたの中に眠る「継続の才能」を発掘し、格闘技という素晴らしい世界への第一歩を踏み出してください。

そして、数か月後、1年後のあなたが、今日の決断を感謝する日が必ず来ることを確信しています。

あなたの挑戦を心から応援しています。