格闘技についてネット検索していると、よく掲示板に「プロボクサーって本当に強いの?」という質問が挙がっています。
そこにたくさんの人達が「掴んで投げれば楽勝!」とか「足を蹴り込めば余裕だろ!」などと反応していて、一般的にボクシングはあまり強くないと思われているようです。
しかし実際にプロボクサー、しかもA級のライセンスを取得できるようなボクサーの強さは半端ではないことを、格闘技を10年以上続けてきた僕は身をもって知っています。
今回は、プロボクサーは強いと痛感した僕の体験談についてお話したいと思います。
A級プロボクサーとは何か
格闘技をやっていない人にはあまり知られていないことですが、実はひとくちに『プロボクサー』といっても、ここにはA~Cまでの等級が設定されています。
これは日本ボクシングコミッション(JBC)が定めているもので、大雑把に言うとC級が一番下で、A級が一番上の実力者ということになっています。
日本ランキングなどに名を連ねる選手は当然A級です。
つまりA級プロボクサーとは、プロの中でもトップクラスということです。
A級プロボクサーとの出会い
そんなプロボクサーと僕が出会ったのは、僕が通っていたジムにトレーナーとしてボクシングクラスを担当してくれることが決定したのがキッカケでした。
その当時既に現役は引退していたので元A級ということになりますが、引退後もボクシングに携わっていてまだまだバリバリの強さを持っている状態でした。
それまでキックボクシングはやっていたものの、ボクシングに関しては全くの未経験だった僕にとっては、そのトレーナーが教えてくれるボクシングテクニックは新鮮で刺激に溢れており、ボクシングの奥深さを毎回感じていました。
A級プロボクサーとのマススパーリング
そんな中、このトレーナーとマススパーリングをする機会がありました。
たまたまたこの日はクラス参加者が少なく、トレーナーが人数合わせでマススパーリングに参加してくれることになったのです。
正直に言うと、この時まで僕は「勝つのは無理にしても、多少は良い勝負が出来るんじゃないか?」と思っていました。
その当時でキックボクシングは5年ほどやっていましたし、試合にも何度か出ていたので少しばかりは自信があったのです。
…が、そんな考えは勘違い以外の何者でもないことを思い知ることになります。
段違いなんてもんじゃない、格が違う!
マススパーリングが始まって、僕はすぐに先制攻撃しました。
しかし、ことごとく当たりません。かわされ、ガードされ、1つもまともに当てられません。
そしてトレーナーからの左ジャブ…は気が付くと僕の顔面に見事にクリーンヒットしていました。
その時に初めてジャブを打たれたんだと分かりました。避けるとかガードするという次元ではく、全く見えなかったのです。
やってみて分かったのですが、パンチが最小限かつ最短のモーションで飛んでくるのでとても防げるようなものではありません。それなのに威力はこちらの数倍は上です。
また、身体の動きが非常に滑らかかつ柔らかいので、機動性が違いすぎました。それでいてスタミナがあるので、途中から全くついていけなくなります。
3分間1ラウンドやりましたが、試合だったら恐らく10回はダウンさせられていました。というか30秒経たずに倒されていたと思います。
「ボクシングで戦ったらそうだけど、喧嘩なら違うだろ」という声が挙がりそうですが、あの鍛え上げられたパンチと機動性を前に喧嘩を仕掛ける勇気は、少なくとも僕にはありません。
プロボクサーの凄さはジムに行って戦えば分かる
ボクシングという競技はパンチのみで戦うルールのためか、「実戦的ではない」などと言われがちです。
確かにパンチのみで戦うことは事実ですが、その強烈なパンチを繰り出すために全身が鍛え上げられているボクサーが弱いはずがありません。
ましてやプロのトップクラスに君臨しているボクサーには、僕は逆立ちしても勝てない自信があります(笑)
プロボクサーなんて大したことないと思っている人は、試しにジムで実際に戦ってみるとその凄さを痛感できると思います。