格闘技において必ず上がる話題の1つが、『格闘技に筋トレ必要・不要論』です。

一見筋肉があまりなさそうな選手が勝つことがありすまし、逆に筋骨隆々な選手が負けることもあります。

また、「パワーがあった方が有利だから筋トレは必要だ!」という意見もあれば、「余計な筋肉を付けたってそれを活かせなければ意味が無いんだから筋トレは不要だ!」という意見も。

ネット上の掲示板でも昔から議論がされており、一体どちらが正しいのか混乱してしまっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、この筋トレ必要・不要論について、僕の経験を踏まえお話していきます。

僕のことを少し自己紹介させていただくと、

・格闘技歴10年以上
・アマチュア選手としてキックボクシングの試合へ出場経験あり
・ボクシングのプロライセンスを所有している

という身なので、信憑性はそれなりにあると思います。

筋トレだけでは強くなれない

まず1つ確実に言えることは、筋トレだけしてても格闘技では強くなりません。

格闘技で必要となる技術(パンチやキックの打ち方など)は格闘技の練習で身に付くものです。

だから筋トレをいくら積み重ねても、それらの技術は向上しないのです。

分かりやすい例で言えばボディビルダーです。
彼等は筋肉を鍛えることにおいてはスペシャリストで、その身体は格闘家以上に磨き上げられています。

しかし、格闘技でそれを活かすには格闘技の練習をしなければならず、そのままでは『素人よりパワーがある状態』に過ぎません。

格闘技で強くなりたいなら筋トレより練習を優先すべき

勘違いしてほしくないのは、筋トレで得られるパワーが全く必要ないとか使えないというわけではないということです。

格闘技の試合で解説の方が「フィジカルの差が出ている」という旨の発言をすることがありますが、ここでいうフィジカルとはパワーや体幹の強さといった、まさに単純な身体能力です。

筋トレで向上した身体能力は、無駄にはなりません。

しかし、やはり格闘技において最優先されるべきはその競技自体の練習です。

だから『格闘技の練習か筋トレか』という選択肢であれば、まず格闘技の練習を取ることが必要となります。

筋トレを取り入れることで得られるメリット

では筋トレは全く不要なのかというと、それは正しくありません。

現にプロの格闘家も週に何度か、定期的に筋トレをしています。

ただし彼等の行っていることは、厳密には『フィジカルトレーニング』です。

筋トレと聞くと、バーベルやダンベルで高重量を持ち上げるウェイトトレーニングが世間には浸透してますが、フィジカルトレーニングの筋トレはそれとは全く異なるものです。

フィジカルトレーニングによる筋トレで得られる効果は、主に以下の通り。

・身体機能を向上させ競技力アップに繋げる
・格闘技の練習とは異なる刺激を取り入れることで、心身に良い影響を与える
・ケガをしにくく丈夫な身体のベースを構築する

格闘家はパーソナルトレーニングがベスト

フィジカルトレーニングについては、パーソナルトレーナーに指導を受けるのが最も効率がよく効果があります。

これは自分がやっている格闘技が何かにもよりますし、自分の現時点の各部位の筋力や体型などによってどんなトレーニングがベストなのかが異なってくるので、自分だけでトレーニング方法を考え実行することが難しいからです。

料金はそれなりに掛かりますが、ここで学んだノウハウは今後自分だけでトレーニングする時にも必ず役立つので、自己投資だと思って受けてみましょう。

僕もパーソナルトレーニングを受けていたことがありますが、自分だけでは分からない細かな動きもしっかりチェックしてくれますし、「お金を払っているから無駄にはできない!」とモチベーションにもなって1人でやるよりも真剣に取り組めました。

ぜひ、格闘技とあわせて筋トレをして、もっと強くなり、より自分の理想の身体に近付きましょう。