皆さんは『無くて七癖(なくてななくせ)』ということわざをご存じでしょうか。
どんな人にも七つは何かしらの癖があるという意味です。
これはボクシングにも同じことが言えると思っていて、どれだけ自分が気を付けていても、実は悪い癖はあるものです。
では、そんな悪い癖を発見し直すにはどうすればいいのか。
この記事は以下の悩みを抱えている人の役に立てればと思い書きました。
これを書いている僕は
・格闘技歴10年以上
・アマチュア選手としてキックボクシングなどの試合への出場経験あり
・ボクシングのプロライセンス取得を目指し現役で練習中
の身なので、ぜひ参考にしてください。
悪い癖を見つける方法
まずは自分が持っている『悪い癖』か何かを炙り出す必要があります。
どんな癖かは人それぞれですが、比較的ありがちな癖として以下のものが挙げられます。
「自分はそんなことない」と思っていても、客観的に見ると笑ってしまうくらい明らかにそうなってたりするものです。
とはいえ自分で自覚するのは難しいので、次の方法で見つけましょう。
鏡で自分を見ながら練習する
ジムに必ずある鏡は、自分のあらゆる姿を見せてくれます。
シャドーボクシングの際にフォームチェックで使っていると思いますが、そのフォームチェックは隅々まで細かくできているでしょうか。
構えている時の手足の位置やアゴの引きはもちろん、パンチを打った時の腰の捻りや軸足の向き、打ち終わりの際の身体のバランスなどチェックするべきポイントは多岐に渡ります。
この時のフォームは完璧なものを目指して、何度も確認しましょう。
すると自然に悪い癖が見えてくるはずです。
動画で撮影する
動画による撮影は、癖の発見にとても有効です。
鏡によるチェックは自分が鏡を見ていないとできませんが、動画撮影であればカメラが常に捉えてくれています。
特にマススパーリングなど実践練習の際に撮影してみると、シャドーボクシングでは見えていなかった『動きの中での悪い癖』がモロに分かるのでおすすめです。
トレーナーに見てもらう
鏡でのチェックや動画撮影はもちろん良いのですが、最もベストなのは指導のプロであるトレーナーに直接見てもらうことです。
癖を指摘してもらえるだけでなく、どうなっているのが理想的なのかや具体的な対策なども教えてくれます。
パーソナルトレーニングでないと付きっきりで教えてもらうことはできませんが、可能であれば積極的に声をかけて見てもらえると成長スピードもグンと上がります。
悪い癖の直し方の手順
自分の癖を炙り出せたら、次はこれを直す作業になります。
先に言っておくと、基本的にこれらの癖は1日や2日で直るような簡単なものではないケースが多いです。
自分が無自覚にやっていることなので、それを直すには同じように無自覚にできるようになるまで反復して直していく必要があります。
根気のいる練習にはなりますが、続ければ必ず直せるので諦めず取り組みましょう。
①頭の中でイメージする
まずは身体を動かす前に、頭の中で完璧なフォームや動きをイメージします。
本や動画ではジャブやストレートといったパンチから、ステップの仕方や細かい動きまで丁寧に解説してくれているので、それを何度も見返して自分がやっている姿を思い浮かべましょう。
ゴールである完璧になった自分の姿がイメージができていない状態で身体を動かしても、完璧には近づけません。
②ゆっくりと行う
先程言った通り、癖はそう簡単に直るものではありません。
特に早く動いてやろうとすると、癖を直すために注意すべきポイントが多すぎて意識があちこちに飛んでしまい、とても難しくなります。
なのでまずはゆっくりと動き、1つずつ身体の箇所に意識を向けて焦らず取り組んでいきましょう。
ゆっくり行うことで、今まで何となくでやっていたところにも意識が届くようになり、癖が直せるだけでなく自分について新しい発見もできるかもしれません。
③徐々に実践的な動きにしていく
頭の中のイメージが出来上がってゆっくりとした動きでも癖が出てこなくなってきたら、あとは対人練習で直ったかを確認します。
①と②は自分のペースでやれていましたが、③は相手がいるのでそうはいきません。
すると意識が癖の方にまで十分回らなくなるので、①~②では直っていたのに出てきがちです。
逆に言えばこの段階でも出てこなければ、もうほとんど癖は直っている状態と言えると思います。
まとめ
本記事の要点をおさらいします。
僕自身、未だに直すべき悪い癖がたくさんあって、日々練習で意識を向け注意しつつ取り組んでいます。
直すのは簡単ではありませんが、1つずつ確実に直していくことで隙がなくなり、その前の自分より間違いなく強くなれます。
初心者からプロ選手まで、直すべき癖は必ずあるはずなので、しっかりと自分と向き合い直していきましょう。