ボクシングにケガはつきものです。

例えスパーリングなどの対人練習をしていなくても、激しい動きとパンチを繰り出すスポーツなのでどこかを痛めるというのは日常茶飯事ですし、対人練習をしているのであれば当然ケガをする確率はグンと高まります。

そんな時に悩むことの1つに、

・ケガをしている時でもボクシングの練習はした方がいいのか
・していいならば、どの程度練習するべきか

といった点があります。

ケガをしたからといってまるまる休んでしまうと、「せっかく身に付けたテクニックや筋力が落ちてしまうかも…」と不安になりますし、ストレスも溜まってきてしまうかもしれませんよね。

僕自身、これまでに何度も様々なケガをして、そのたびに練習はどうするのが良いのか悩んでいました。

そこでこの記事では、今まさにケガをしてしまい、そういった悩みを抱いている人に向けて『ケガをした時の練習』についてお話します。

僕は格闘技歴10年以上のキャリアとアマチュアながらキックボクシング等の試合に出場した経験があり、ボクシングのプロライセンス取得を目指し現在絶賛練習中の身なので、それなりに参考となるのではないかと思います。

まずは医師の診察を必ず受ける

練習をした方がいいのかしない方がいいのかについて考える前に、まずは必ず医師の診察を受けましょう。

ケガの状態は然るべき診察と検査を受けないと正確に把握することはできません。
自分では「大したことない」と思っていても、実は重傷だったなんてことは十分あり得ます。

場合によってはドクターストップされることもあるので、そういった時はちゃんと安静にしておくべきです。

決して素人目で判断してはいけません。

練習してもしなくても得られるものはあるから自分次第

医師の診察を受けてドクターストップが無ければ、あとは自分のケガの状況と様子を見て練習するか否かを判断することになります。

「どっちがいいのか教えてよ!」という人もいるかもしれませんが、ケガはその程度や部位がケースバイケースなので、一概に言うことはできません。あくまで最終的に判断するのは自分であり、自己責任ということになります。

しかし、個人的にはたとえ練習をしても休んでも、それぞれ得られるものはあると思っています。詳しく説明すると以下の通りです。

  • 練習する→ケガをしている状態の練習だからこそ気付くことや学ぶことがある

ケガをしている時の練習は、当然普段とは異なるメニューにしたり、制限された中でのものになります。

それは一見すると良くないことばかりのように思いますが、だからこそ普段は気付けなかったこと(自分のちょっとしたクセ)に気付くことができて、学べることがたくさんあります。

僕自身の実例をお話すると、ケガで右手が使えないためにパンチは左手のみしかできなかったのですが、左手だけでも攻撃のバリエーションはたくさんあって奥深いこと、まだまだ使いこなせていなかったことを痛感しました。

これはケガをして右手が使えなくなっていなかったら、おそらく気付けなかったことです。

  • 休む→ケガだけでなくこれまでの練習の疲労も回復させられて振り返りもできる

休むとなるとこれまでの練習で苦労して身に付けたものが全て無駄になってしまう気がするかもしれませんが、実際はそんなことはありません。

確かにスタミナや筋力は多少落ちますが、よほど長期間に渡らなければそこまで明確に落ちることはほとんどないです。

これも僕自身の実例でお話しますと、左足のカカトをケガしてまともに動くことができなくなり、1ヶ月間ほど休むことを余儀なくされたことがありました。

しかし復帰後に練習してみたところ、自分の中で大きく低下したと感じられることはありませんでした。

また、その間で自分の練習について改善の余地がないか考えたり、YouTubeでボクシングの勉強をしたりなど、普段練習に追われてなかなか時間が取れなかったことをできるようになりました。

このように休んで立ち止まることで、かえって成長できることはあるのです。

まとめ

最後にこの記事のお話をおさらいします。

・ケガをしたら必ず医師の診察を受ける
・ケガの程度や箇所といった状態から練習するか休むか決める
・どちらを選んでも成長できることはある

もちろんケガをしないことが一番ではありますが、こればかりはどれだけ注意していてもする時はしてしまいます。

大切なのは、ケガをした時にどのように行動するかです。

ケガをするとマイナスなことばかりを考えてしまいがちなのですが、してしまったものは仕方ないと割り切って、これからどうするかを冷静に考えましょう。

それが、ボクシングだけでなく自分自身を強くする糧になります。