プロの格闘家がYoutube動画の企画にあげている、『喧嘩自慢とスパーリングしてみた』というものがあります。

内容は至ってシンプルで、街にいる喧嘩自慢の人達とスパーリングをするというものです。

大抵は喧嘩自慢の人達がプロ格闘家にいいようにやられて終わるのですが、この企画がとても人気で様々な格闘家が行っています。

今回は、そんなプロ格闘家と喧嘩自慢のスパーリング動画に人気が出ている理由について考察してみました。

『プロ格闘家VSヤンキー』という構図が面白い

街にいる喧嘩自慢というのは、分かりやすく言えばヤンキーの人達のことを指します(必ずしもそうとは言えませんが)。

見るからにいかつくて柄が悪く、入れ墨やタトゥーが入っている人が集団でいるので、世間から見れば普通に怖いし強そうです。

実際に彼等は過去に喧嘩をしていて、腕っぷしに自信があるわけです。

それに対して、『闘うことを仕事にしている』のがプロの格闘家です。

喧嘩ではないものの、人と殴り合い倒し倒される経験を重ねているわけで、それだけ修羅場を潜ってきています。

世間から見れば、こちらも強い人間というイメージがあります。

そんなプロの格闘家と喧嘩自慢のヤンキーという、全く異なる世界の存在である「強いヤツ」同士が戦うとなれば、どうなるんだろうと関心を集めますし面白そうだと思うのかもしれません。

ヤンキーが倒されるところを見たい

見るからに柄が悪くいかついヤンキー達が街にいるのを見かけても、大半の人達は目を合わせず距離を置いて通りすぎていきます。

本当に強いかどうかに関係なく、そのような集団に絡まれて殴られたり脅されたりするのは嫌だからです。

しかし、実際は心の中で「あんな連中大したことない」とか「集団でいないと何もできない弱い奴等」と思っている人がたくさんいます。

プロ格闘家と喧嘩自慢のヤンキー達がスパーリングする動画は、大抵はヤンキー達がプロ格闘家にいいようにやられて終わります。

格闘技のスパーリングで、本職であるプロ格闘家にヤンキー達が勝てるわけがないからです。

しかし、視聴者からすれば「イキがっているくせにダサい。所詮あんなもんか。」と何だかスカッとするのだと思います。

自分が安全な場所から、普段怖くて近付けない存在の人間がやられているを見るのは一種のストレス解消になるのではないでしょうか。

『格闘技は強い』ということの証明になる

格闘技では、しばしば「実践的かどうか」が議論されます。

簡単に言うと、格闘技が試合以外で役に立つのかということです。

その観点からするとこの企画は、プロの格闘家が喧嘩自慢のヤンキー達をスパーリングでいいようにあしらうので『やっぱり格闘家は強くて、格闘技は実践でも十分役に立つんだ!』と思えます。

つまり、視聴者にとって格闘技は「ヤンキーにも勝つことができる」という希望であり、「格闘技を習えば自分もあんな風に強くなれる」とイメージを抱けるわけです。

スパーリングはあくまで格闘技の練習の1つであり実践的とは言えませんが、そうした希望が持てるという事実が重要なのだと思います。

まとめ

以上、喧嘩自慢とプロ格闘家のスパーリング動画が人気な理由という考察でした。

この記事を書いていてふと思ったのですが、子ども向け番組のヒーロー戦隊シリーズや警察ドラマでも、正義の味方である戦隊や警察官が悪者を倒す姿を見て、誰もが1度は興奮しスカッとした経験があるはずです。

おそらくこの企画にもそれと共通する部分があるのが、魅力の1つではないでしょうか。

プロ格闘家と喧嘩自慢のスパーリング動画をまだ観たことがなくて興味がある人は、1度観てみるといいかもしれません。