ボクシングを始めてから数か月経ったけど、全然上達している気がしない・・・
ボクシング初心者の方が、1度はぶち当たる悩みです。
ジムに通っていても、トレーナーからマンツーマンで教えてもらえることはなく、ミットを持ってもらえるくらい。
その他の練習は、ほとんど自分で考えてやらなければならないのが、多くのジムにおける会員の日常です。
筆者自身、これまでに4つのジムに通った経験がありますが、いずれもそんな状態でした。
マンツーマンでトレーナーが付いて指導するのは、将来有望な一部の現役のプロ選手くらいです。
そうでなければ、自分で考えて練習し、上達していかなければなりません。
けれど、どんな練習をすれば上達するのかが分からなければ、それも難しいですよね。
本記事では、ボクシング初心者の方が今より上達し、初心者を卒業するために必要な、4つのことを解説します。
筆者の格闘技歴は10年以上で、ボクシングのプロライセンスも保有しているため、参考になるかと思います。
繊細で高度な技術が必要
まず改めておさえておきたいのは、ボクシングという格闘技の特徴です。
それは、上級者になるほど繊細かつ、高度な技術が求められるということ。
筆者は複数の格闘技を経験してきましたが、ボクシングほど技術の1つ1つが細かく、奥が深いものはありません。
ボクシングがパンチのみと極めて限られた攻撃しか認められておらず、なおかつ攻撃できる身体の箇所も少ないことから、必然的にそれが求められるようになります。
「格闘技の中で最弱」とか、「実戦では使えない」などと低い評価をされがちなのは、上記の点が大きな原因でしょう。
しかし、そのような厳格なルールが定められている中で、相手に的確に攻撃を当てて倒せるということは、それだけレベルが高くて強いと言えます。
そして、そんな格闘技だからこそ、初心者から抜け出すためには相応の技術が必要となります。
基礎練習の繰り返しは大前提
ボクシングにおいて、上達に欠かせないのは基礎練習の繰り返しです。
これは全てにおける土台であり大前提。
井上尚弥や那須川天心など「天才」と評される選手も、基礎練習の繰り返しはどんなにキャリアを積んでもやっています。
むしろ並みの選手の数倍はやっているのではないでしょうか。
初心者であるほど、プロの選手が試合で魅せる、トリッキーな動きやハイレベルな技術を取り入れたくなります。
しかし、それも基礎があってこそ成しうるもの、ということを忘れないようにしましょう。
そもそも基礎ほど難しくて、奥が深いものもありません。
シャドーボクシング1つ取っても、フォームチェックからパンチの連打によるスタミナ向上など、目的に応じてやり方は大きく変わりますが、それをしっかり使い分けてやれている人は多くありません。
基礎が十分できるから、トリッキーな動きやハイレベルな技術が脅威になるのです。
始めてから月日が経つほど、変に慣れて基礎練習を何となくでやってしまいがちなので、この点は常に意識を持ち続けることが大切です。
初心者から卒業するための上達に必要なこと
基礎練習の繰り返しは前提に置いた上で、上達のために必要なことは、主に以下の4つです。
①距離感を意識する
②力任せにパンチを打たない
③ムキになってマススパーをやらない
④ファンクショナルトレーニングを取り入れる
実際にはもっと多くありますが、「初心者を卒業する」という観点から、最低限おさえておくべきものをリストアップしました。
各項目について、詳しく解説していきます。
距離感を意識する
ボクシングでは、いかに距離感をコントロールできるかが、その人の実力を左右します。
ここでの距離感とは、
・相手のパンチが絶対に当たらない距離
・自分のパンチが絶対に当たる距離
・自分が1歩踏み込めばパンチが当たる距離
など、様々です。
初心者あるあるの1つが、この距離感を完全に無視して、自分のパンチをひたすら打ち込んでいるケース。
ミット・サンドバッグ・マススパーなどあらゆる場面で、距離感お構いなしでやってしまいがちです。
試合や全力のスパーリングをやれば、距離感が掴めていないことがどれほど致命的かよく分かりますが、初心者はその経験もないので実感が沸きません。
しかしこれを理解して、自分の狙い通りの距離感を保てるようになれば、初心者からの卒業にグッと近付きます。
まずは自分が普段どの程度の距離感でやっているのかを確認して、そこから1歩前に出る、または1歩後ろに下がってみましょう。
それだけで、感覚は大きく変わるはずです。
力任せにパンチを打たない
ジムで初心者がミットやサンドバッグへ打ち込んでいる姿を見ていると、力任せにやっていることが多々あります。
自分の身体の強さに自信があれば、それで押し切るのも手段の1つかもしれません。
しかし、力任せのパンチはスタミナを大きく消費する上に、避けられたり防御される可能性が高く、有効な攻撃とは言えない面があります。
そもそも『相手を倒せる強いパンチ』とは力任せではなく、全身の連動ができていて、当てる箇所やタイミングが的確であれば、繰り出すことが可能です。
トレーナーによっては、「力なんて必要ない」と言う人もいるくらいです。
とはいえ言葉だけでは分からないと思いますので、参考になりそうなものを調べていたところ、以下の動画を発見しました。
第21代WBO世界王者である、プロボクサーの谷口将隆選手が、ストレートの打ち方をレクチャーしている動画です。
これを観ても、決して力任せにパンチを打っているわけではないことが、とてもよく分かります。
10分弱で終わるので、ぜひ観てみることをおすすめします。
ムキになってマススパーをやらない
初心者であっても、大抵のジムではマススパー(攻撃を当てない・当てても1~2割程度の力)を、練習に取り入れています。
ただここで問題になるのが、初心者はどれだけトレーナーから言い聞かせても、すぐにムキになって力を込めがちなこと。
相手のパンチを明らかに喰らっている、自分のパンチが当たらないなど、思い通りの展開に運べないと、ムキになるケースが多いです。
特におじさんの場合、プライドが高いことが多く、このケースに陥る人を筆者も数多く見てきました。
しかしこれは相手はもちろん、自分もパンチを打たれてしまうことがあるため、非常に危険です。
マススパーとは、相手を倒すのではなく自分が練習したことをどれだけ実践できるかを、確認するための練習ということを常々意識しておきましょう。
上級者ほど、力を入れず冷静に余裕を持って行えます。プロ選手や上手な人のマススパーを見て、自分と何が違うのか比較してみましょう。
ファンクショナルトレーニングを取り入れる
ファンクショナルトレーニングとは、直訳で『機能的な運動』を指します。
具体的に言うと、自分の身体を思う通りに正しく動かせるようにして、身体能力を高めることです。
普段は自覚できないかもしれませんが、自分の身体を100%正しく使いこなせている人は、実はほとんどいません。
逆に言えば、これを100%に近付けることができれば、ボクシングも劇的に動きが変わります。
既に解説してきた通り、ボクシングは力任せのパンチだけではなく、距離感の意識など全身をフルに稼働して行うものです。
ファンクショナルトレーニングを取り入れて身体能力を向上させるとともに、身体の機能を自在に使えるようにすることで、上達具合は大きく変わるでしょう。
ファンクショナルトレーニングがどういったものか体験したい、しっかりと学びたい方は、プロにレクチャーを受けるのがベストです。
ボクシングの上達だけでなく、健康にも良いので、ぜひ試してみてください。
1度に全てをやろうとしない
本記事では、初心者を卒業するために必要となる、上達方法を4つ解説してきました。
ただし、これらは一気にやろうとしても、ほぼ間違いなく上手くいきません。
人間の集中力はそこまで続かないし、慣れていないことを同時にやろうとしても、全てやれるほど器用でもないからです。
筆者も初心者の頃は、複数のトレーナーから教わったことを同時に全てやってみようと試みましたが、1つを意識すると1つを忘れてしまい、結局ダメだった・・・という経験をしました。
なので、もし「距離感を意識する」を課題にするのであれば、これだけをひたすら意識して練習するのがおすすめです。
シャドーボクシング・ミット・サンドバッグ・マススパーと、全ての練習メニューで意識し続けて行えば、確実に上達していきます。
どんな技術も一朝一夕では身に付かないからこそ、焦らず1つずつ目を向けていきましょう。