ひとくちに格闘技と言ってもその種類は様々です。

そうなれば当然使う道具も異なってくるわけですが、その中でも特に目立つのがグローブの違いです。

ボクシングやキックボクシングであればボクシンググローブと呼ばれるものを使うのに対し、総合格闘技ではオープンフィンガーグローブと呼ばれるものを利用します。

では、ボクシンググローブとオープンフィンガーグローブは実際に使ってみるとどれくらい違うものなのか?

今回はその点を、格闘技歴10年以上でボクシング・キックボクシング・総合格闘技全てを経験してきた僕が説明したいと思います。

ガードの方法が変わる

まず両者が大きく違う点は、相手からの攻撃をガードする方法です。

ボクシンググローブは面積が大きいので、パリング(相手の攻撃を軽くはたいて軌道をズラす)やブロッキング(ボクシンググローブを壁にして相手の攻撃を入れさせないようにする)、ストッピング(相手の攻撃を自分の手で止めて打たせないようにする)など様々なガードが可能です。

対してオープンフィンガーグローブは、ボクシンググローブより遥かに面積が小さいため、上記のようなガードは基本的にできません(やろうと思えばやれるかもしれませんが、失敗するリスクが高いです)。

そのため、オープンフィンガーグローブでの攻撃は、基本的にバックステップ(後ろに下がって距離を取る)やスウェー(身体全体を使って相手の攻撃をギリギリのところでかわす)といった方法で防ぐことになります。

攻撃が当たった時のダメージが違う

ガードと同様に、攻撃の部分でも両者は大きく異なります。

ボクシンググローブは面積が大きいので、攻撃が当たっても外傷(切れたり腫れたり等)がそこまで酷くはなりません。

クリティカルに当たれば別ですが、基本的には外傷よりも顎やこめかみに喰らって脳震盪が起きることで倒れることとなります。

これに対しオープンフィンガーグローブは、面積が小さいためボクシンググローブと比較すると攻撃を喰らった時に外傷を負う可能性は高くなります。

面積が小さいということは威力がそこに集約されることになるので、ダメージもボクシンググローブより大きくなります。

付けた時の感触の違い

ボクシンググローブは手全体をスッポリと覆う形になるので、長く付けていると汗で中が蒸れてきます。その代わりに分厚い造りになっているため、手が全体的に守られている感じがします。

オープンフィンガーグローブは指の部分がむき出しになっていて全体的に薄いため、拳が握りやすく何も付けていない時の手の感触に近いのですが、指が出ているため気を付けないと突き指などのケガをしやすい形になっています。

僕は最初キックボクシングから入ってボクシンググローブを長く使っていたので、その後総合格闘技を始めてオープンフィンガーグローブに変わった時は付けた際の感触の違いに戸惑い、慣れるまでに時間がかかりました。

これは実際に両方を付けてみるとそれがよく分かると思います。

まとめ

最後にボクシンググローブとオープンフィンガーグローブの違いをおさらいします。

・ガードの方法が違う
・攻撃を受けた時のダメージが違う
・付けた時の感触が違う

大半の打撃系格闘技では基本的にこのどちらかを使う場合が多いので、両方に慣れていれば多数の格闘技に順応できると思います。

両方を使う機会はあまりないかもしれませんが、どれくらい違うのか興味がある人は両方を入手して、その違いを把握しておくと自分のレベルアップにも繋がるのでオススメです。