いつの頃からなのかは分かりませんが、キックボクシングと空手はよく比較の対象になっています。
・どちらが強いのか
・どちらが実戦的か
・ケンカに強くなりたいならどちらをやるべきか
同じ打撃系格闘技であり、攻撃に使える手段も似ていることが関係しているのかもしれません。
僕はキックボクシングしか経験がありませんが、元々空手をやっていた人がキックボクシングに転向してくることも多いので、練習で何度もスパーリングしてきました。
そこで今回は、格闘技未経験者が習うとしたらキックボクシングと空手のどちらが良いかについてお話します。
目的や目標によって習うべきものは異なる
本題に入る前にあらかじめ覚えておいてほしいのは、「どっちが強いのか」とか「どっちが実戦的なのか」などという面で優劣を付けることはできないということです。
強さなんて何を基準にして考えるかによりますし、実戦的という話をしたらキックボクシングも空手もそれぞれルールがある時点で、本当の意味で実戦的とは言えないので対等な状態です。
したがって、どっちを習うべきかは『自分がどういった目的や目標を設定しているか』によります。
それを踏まえた上で、ここから先をお読みいただきたいです。
プロライセンスが欲しいならキックボクシング
空手は帯の色や段位という形で、本人の強さを対外的に認定しています。
しかし、いわゆるプロライセンスと呼ばれるものはないため、「プロかアマチュアか」という点は曖昧です。
※何を以てプロと定義するかによっても変わるので一概にこれが正しいとは言えません。
それに対してキックボクシングは、『プロライセンス』という制度が用意されています。
各団体が認定しているものとなり、世界共通のライセンスはありませんが、これがあれば一般的には「プロ」と呼べる状態ではあります。
そのため、プロライセンスという目に見える形が欲しいのであればキックボクシングを習うべきです。
礼儀作法を身に付けたいなら空手
空手は厳密に言えば格闘技ではなく武道なので、礼儀作法にはかなり厳しいです。
始めと終わりの礼や正座しての黙想など、日本らしい精神性を重んじています。
一方でキックボクシングは、礼儀作法にはそこまでうるさくありません。
キッズクラスやプロクラスなどで一部のジムではしっかりするようにしているところもありますが、基本的に空手ほど厳しく言われることはほとんどないのです。
なので礼儀作法をしっかり身に付けたいなら空手を習うべきです。
その他の目的や目標の場合は自分に合った方を習うべき
自分の目的や目標が上記2つ以外の場合は、『キックボクシングと空手のどちらがより自分の目的や目標に近いか』で選びましょう。
同じ打撃系とはいえルールはかなり違いますし、使う道具も異なります。
最も手っ取り早いのは、やはりそれぞれの練習風景を見学することです。
キックボクシングジムも空手道場も基本的に見学OKとしているところは多いので、両方を見てみてどちらがいいか決めましょう。百聞は一見に如かずです。
ちなみに僕が空手ではなくキックボクシングを選んだ理由は、キックボクシングは道着が無く空手ほど堅苦しくないと思ったからです(笑)
今考えても大した理由ではありませんが、最初はそれくらい気軽に自分に合いそうな方に入れば良いと思います。
どちらもそれぞれ異なる魅力があるのは間違いないので、どちらかに惹かれるものがあればそちらを始めましょう。