ボクシングやキックボクシングの練習の1つとして存在するダンベルシャドー。
文字通り両手にダンベルを持ってシャドーを行うわけですが、この練習について様々な方が効果の有無を説明しています。
僕は
・格闘技歴10年以上
・アマチュア選手としてキックボクシングなどの試合に出場経験あり
・ボクシングのプロライセンス取得を目指して現役で練習中
の身であり、実際にダンベルシャドーを取り入れています。
この記事では、ダンベルシャドーの効果の有無について僕なりの見解を説明しますので、良ければ参考にしてください。
筋力の強化にはあまり効果がない
まず、ダンベルシャドーは以下を目的にしているのであれば、あまり効果は見込めません。
これらの効果を得たいのであれば、ダンベルシャドーではなくウエイトトレーニングを行うことをおすすめします。
恐らくボクシングやキックボクシングをやっていないトレーニー(身体を鍛えるためにトレーニングをしている人)にとっては、ダンベルシャドーは不要です。
もちろん全く意味がないわけではありませんが、ダンベルシャドーで扱える重さは1~5㎏くらい。
しかし筋肥大や筋力筋力にあたっては高重量でのトレーニングが必要となるので、普段からトレーニングをしている方にはあまり刺激になりません。
ダンベルシャドーで得られる効果
では、ダンベルシャドーはどういった効果があるのか。
実践している僕が感じるのは、以下の効果です。
ガードを下げずにキープできるようになる
パンチを打つ際に、打ったのと逆の手が下がって顔面ががら空きになってしまうことがあります。
そこを狙って相手に攻撃されると、倒される可能性が出てきます。
ダンベルを持っていると常に手に重さを感じるため、ガードが下がった時に自分でもよく分かるようになります。
これを繰り返すことで下がらないように意識付けができて、ダンベルを持っていない時でもガードが上がって相手の攻撃を防ぐことが出来るようになるのです。
正しいフォームを身に付けやすくなる
シャドーボクシングを行う目的は様々ですが、その中の1つに『フォームチェック』があります。
パンチを打った際に正しいフォームで打てているか確認するためのものです。
ダンベルを持って行うと、普段とは異なり腕に重みを感じるため、少しでも気を抜くとフォームが崩れやすくなります。
だから常に意識をしっかり持ってパンチを打つ必要があり、繰り返し行っていくとフォームがいつの間にか定着し崩れなくなるのです。
『パンチの戻し』が早くなる
ガードにも繋がってきますが、パンチは打ったら打ちっぱなしではいけません。
素早く自分の方に戻さないと次の攻撃や動きに繋げにくくなったり、身体の重心が崩れて相手に付け入られる隙を作ることになります。
ダンベルシャドーを行うと、パンチを打った際に重みで身体が流れて重心が崩れやすくなるので、『打ったら戻す』という意識を常に持ち続ける必要が出てきます。
すると、戻すことが習慣付いて連打が打ちやすくなったり、次の動きをスムーズに行えるようになるのです。
『何を目的にしているか』で効果の有無は異なる
以上の通り、ダンベルシャドーは決して効果(意味)のない練習ではありません。
ただ、ダンベルシャドーに期待していることによって効果が有るか無いかが変わるだけです。
またダンベルシャドーは、世界的に有名なボクサーであるフロイド・メイウェザーや、元世界王者の内山高志さんも行っている練習です。
それだけの名選手がしているものが、少なくとも無意味ということは考えにくいのではないでしょうか。
どんな練習も、自分で試してみなければ分からないことはたくさんあります。
まだ実践したことがないボクサーやキックボクサーの方は、ぜひやってみることをおすすめします。